
朝の支度をしながら、夕飯を作りながら、下の子のお世話をしながら。
こちらの手が離せないときに限って、子どもの「なんで?」が何度も続くことがあります。
最初は普通に答えていても、答えたそばからまた「なんで?」。もう一度説明しても、さらに「なんで?」。
だんだん余裕がなくなり、
「さっき言ったよね」
「もう説明したよ」
と、つい強い言い方をしてしまうこともありました。
そんなとき、わが家で返すようになったのが、少しゆっくり「なんでだと思う?」と聞き返すことです。全部の質問に答え続けなくても、会話を突き放さずにいられる、わが家なりの返し方になりました。
答えても答えても、「なんで?」が終わらなかった
一時期、わが家では「なんで?」と聞かれることが本当によくありました。
最初の質問に答えると、その答えについてまた「なんで?」と聞かれます。さらに説明すると、今度はその説明に「なんで?」が返ってくる。どこまで答えても終わりがありません。
子どもは、私を困らせようとしていたわけではないと思います。本当に気になっていることもあれば、私と会話を続けたいだけのときもあったのかもしれません。
それでも、料理中だったり、出発時間が迫っていたりすると、すべての質問に丁寧に答え続けるのは難しいです。
「子どもの疑問には、できるだけ答えたい」という気持ちと、「今はもう手いっぱい」という気持ち。その間で、私はだんだんイライラしていました。
「なんでだと思う?」と聞き返してみた
何度も続く「なんで?」に疲れたとき、わが家では、
「なんでだと思う?」
と子どもに聞き返すようになりました。
以前は、質問されたら私が答えなければいけないと思っていました。でも、何度説明しても「なんで?」が続くなら、毎回私が正解を用意しなくてもいいのかもしれません。
聞き返してみると、子どもなりに考えて答えることがあります。
「暗くなったからかな」
「眠たいからじゃない?」
「おなかがすいたから?」
正しい答えでなくても構いません。自分の言葉で理由を考えている間は、質問するだけの会話から、親子で一緒に考える会話に変わります。

私がずっと説明役にならなくていい。それだけでも、気持ちが少しラクになりました。
同じ言葉でも、少しゆっくり返す
ただ、同じ「なんでだと思う?」でも、言い方によっては子どもに冷たく聞こえてしまいます。
忙しいときほど、
「なんでだと思うの?」
と、質問を突き返すように、すぱっと言ってしまいがちです。私も余裕がないと、そんな言い方になることがありました。
そこで、ほんの少しだけ間を取り、
「うーん、なんでだと思う?」
と返してみることにしました。
立ち止まって長く話を聞く余裕がなくても、声の速さを少し落とすことはできます。最初に「うーん」と一緒に考えるような間を入れると、会話の空気も少しやわらぎました。
質問に完璧に答えることよりも、子どもの言葉を拒んでいるように聞こえないこと。そのほうを大切にしたいと思うようになりました。
忙しいときは、全部に答えなくてもいい
子どもがせっかく興味を持っているなら、その疑問を大切にしたい。でも、毎回ゆっくり説明できるわけではありません。
無理をして答え続けた結果、最後に強い言葉が出てしまうなら、途中で区切るほうが親子ともに気持ちを切り替えやすい。そう考えて、忙しいときの返し方を決めました。
- 最初の質問には、できる範囲で答える
- 質問が続いたら、「なんでだと思う?」とゆっくり聞き返す
- それでも続くときは、「今はご飯を作っているから、あとで一緒に考えよう」と伝える

すぐに答えられないことと、子どもの質問を無視することは別です。
「今は話せない」と言葉にするだけでも、強い言葉で会話を終わらせるより、お互いに嫌な気持ちになりにくかったように思います。
「さっき言ったよね」と言ってしまう日もある
もちろん、いつでも穏やかに返せるわけではありません。
何度も同じことを聞かれて、
「だから、さっき言ったじゃん」
と言ってしまう日もあります。忙しい日は、ゆっくり「なんでだと思う?」と返すことすらできません。
それでも、一度イライラしたからといって、そのまま会話を終わらせなくてもいいと思うようになりました。
少し落ち着いたあとに、
「さっきは忙しくて、強く言っちゃったね」
と伝えることはできます。
毎回きれいに対応することよりも、余裕があるときに少しずつ言い方を変え、強く言ったときには戻って話す。そのほうが、私には続けやすい方法でした。
あれほど続いた「なんで?」も、いつの間にか減っていた

何度も続く「なんで?」への返し方を考えていた時期も、4歳になってからは少しずつ聞かれる回数が減っていきました。
今では、あれほど繰り返していた「なんで?」「なんで?」を、ほとんど言いません。
当時は、忙しいときに何度も聞かれるたび、「もうさっき答えたよ」と思っていました。それなのに、いざ言わなくなると、それはそれで少し寂しく感じます。
子どもの成長は、できることが増えるだけではなく、今までしていたことを少しずつしなくなっていくことでもあるのだと思います。終わらないように感じた「なんで?」も、ずっと続くものではありませんでした。
全部に丁寧に答えられなくても、親がすべての答えを知っていなくても大丈夫。忙しいときは「なんでだと思う?」と一緒に考える形に変え、難しいときは「あとで」と伝える。
そうやって過ごした時間も、振り返れば、その時期にしかなかった大切な親子の会話でした。